紹介されていたのは「アクアポニックス」という、魚を飼って出たフンを使った水で野菜を育てる循環型農業です。
水耕栽培で育てる野菜は小松菜、ホウレンソウ、ハーブなどの葉物野菜に適していて、一方、お魚は淡水魚であれば何でもよい。金魚や観賞用のコイ、ティラピアなど。
●アクアポニックスの利点は …・土で育てる農業に比べて80%くらい水を節約できる。肥料や農薬も不要。
・地産地消が叫ばれている中、フードマイレージが短く、輸送のCO2排出も削減できる。
・作業が簡単で、農業経験がなくともできる。異業種からの参入が容易で、規模にもよるが1日の作業は魚のエサやりと水質チェックだけで30分程度。収穫のある日も1日1時間で済む。
・農機具を使わないでいいし、魚を飼って餌をやるだけで野菜が育つので、障碍者や高齢者が働く場にすることができる。
・魚・植物・微生物がいることで生態系をすごく感じることができるので、アクアポニックスを通して環境や地球について考えるきっかけになる。食育や学校教育にも組み入れると多分面白い。
●ではどれくらいのコストでアクアポニックスは始められる?
・30㎡のアクポニハウスの建設コストは約700万円。これで、月の想定収穫量が野菜が100キロ、魚が20キロ
・鑑賞を主目的とした個人用のキット「アクアスプラウト」は35800円(税別)となっていました。
番組では実際にアクアポニックスで道の駅にハーブを卸している猟師の方のお話もありましたが、このプラントの優れている点は省スペースで始められることです。たぶん30㎡もいらない。ベランダくらいの規模から始めて、水耕栽培をやったことのある人、アクアリウムやメダカなどの淡水魚飼育の経験のある人の技術レベルで、多分最初は自作で低コストで手掛けられる。
規模にもよるけど、自家消費、実際に飲食店が自店消費を供給する想定で始めるのが基本。(販路開拓はやはり面倒です)滋賀県なら、琵琶マスの養殖と組み合わせることができる可能性があります。アニサキスの心配もないので刺身提供ができる。土地に余裕があるなら、循環ポンプの使用電力も太陽光パネルで供給可能でしょう。
プラスチックパイプを多用するのに目をつぶれば、ここまで優れた次世代エコ農業はそうそうお目にかかりません。これからの高齢化社会と虚弱な若者を見るに、目を啓かれた思いでした。 ああ、場所があったらやりたいわ。
SDGsでごみを減らし、自然に返す方法として、コンポスト(生ごみたい肥生成器)の設置を推奨されることもありますが、農業は労力のハードルが高いのよ。
化石燃料に今後様々な制約が入る可能性があるので、よく読売新聞がやってるプロパガンダ的な「機械化次世代農業」なんて未来があるとは思いません。結局人間が体を動かさなければ、何も育たない時代が多分来ます。政治力があまりに低い日本は、最悪、世界での食糧獲得競争に敗れます。 さすがに庭にイモを植える時代の再来は勘弁してほしいけれど、今からこういう農業への知見を深めることは、ほんとの意味での生存戦略に役立つと思います。
興味がある方はぜひはじめてみましょう。
*「モーニングフラッグ」は元NHKアナウンサー堀潤氏が東京MXでやっている帯のニュース番組で「Z世代」の出演者が昨年流行語大賞を受賞しました。全国でネットで見られます。
見逃し(⇒MCAS)もありますのでキー局のテレビにうんざりしたら是非とも。見ごたえのあるコンテンツです。
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