インボイス増税に反対します(改稿)

2023年10月14日土曜日

social 意見には個人差があります

 

 インボイス制度、インボイス実質増税に反対します。

 10月1日からインボイス制度が始まってしまいました。

  これについて、投稿しましたが、悪文だったので書きなおします。

画像は俳優の山西惇氏のSNSへの投稿。

「まじで殺しにきてる」10月開始のインボイス制度、2500億円税収増にかかるコストは年4兆円…「生産性激落ち」で批判殺到(FLASH)

 それをもっとわかりやすく、ああ、こういう魂胆なんだ(* ̄- ̄)ふ~んと得心させる力があるのがこの投稿

 

「インボイス制度、職場のわたしがいるフロアではだいたい「すべての個人事業主を廃業させて派遣会社に吸わせるための極めて強い悪意により設計されている制度では?」という理解になっている。そう思わないとあまりにも合理性がなくて何も理解できないので…」

  なぜ、消費税に反対するかは以前も書きました。

 

 ●消費税とインボイスという「小商い潰し」を廃止しろ

本稿では、なぜインボイス制度が理不尽で、日本の発展を阻む、激烈に頭が悪い制度なのか、5つの論点にまとめます。

 

①何よりも、現在の自称軽減税率と言う据え置き税率のせいで、とにかく税務処理が煩雑になり、小規模事業者には経理処理だけで何十時間、何週間という時間を奪われてしまうこと。

 当然ひとり親方や個人タクシー、小規模クリエイターなど小さな商いで生業を立てている事業者からすれば、税務処理だけのために仕事ができない日が何日も発生するというのは死活問題です。

 税制の基本は、「公平・簡素・中立」

 そう考えたときこの制度は明らかに小規模事業者の負担が大きく、大企業に有利な税制と化しています。小商い潰しと言われても、仕方ない。

 岸田政権は「今まで、1000万円以下の事業者の”益税”を廃止し、公平な税制を維持するため」というお題目を述べてますが果たしてそうでしょうか。この議論で決定的に抜けているのが事務の煩雑さとそれに伴う小規模事業者の事務処理負担の不公平さです。

 

 フリーランスや個人事業者は日銭がすべてなのです。大半が年商1000万円未満の非課税事業者です。しかし、彼らは経理事務に時間を取られること即ち日銭が稼げなくなるということなのです。これが年商50万、100万ならなおさらです。

 そんな規模の事業者やクリエイターは才能/商才がないのだからやめてしまえと言う乱暴な議論がSNSで散見されましたが、そんな金額でも社会を動かしているのです。 

  またあらゆるアートも商いも最初は小規模なのです。台湾の夜市に行ったときに、たぶん許可は得ているのでしょうが、歩いてきた多分イタリア人の男性が保冷ボックスにティラミスを詰めて来て、路上で売り始めたときには驚きました。美味しければ売れるし、まずければ商売は失敗する。商いの基本です。それ以上のルールを小商いの商売人に課すのは、大企業が小商い潰しに加担してるのではと勘繰ります。

 例えば、1000円カットの出始めに理・美容組合が衛生を盾に行政に規制を求めたとか、キッチンカーや弁当販売で季節によっては過剰かと思われる設備投資を要求するのも、小商い潰しの可能性があります。

 そういう商売を潰し続けてきたから、日本ってこんなに停滞してるのではないでしょうか。


 少額の消費税についてすべて1円単位できちんと申告せねば罪だというならば、はっきり言いますが廃業と脱税が横行します。だって割に合わないもん。

 この際、私がしがないクリエイターなら、円でやり取りせずに「物納」を求めますね。この際、お米でくれと先方に言います。実際、田舎のあちこちでは少々の「労働」はもののやり取りで済ませることもあるようですが、そのお礼は農産物だったり、魚だったり。これには税金かかりません。そこに先祖返りした方がよほどましだと思わせる、ろくでもない制度です。


②2つ目にひどいのが、この「小商い潰し」が岸田政権が悪意を持って明確に意図して設計したのだと思われる点です。マイナンバー制度と言う、本当にこちらもどうしようもないポンコツでひどい制度がありますが、(普及させたければ、まずは政治家の政治資金報告書を電算化すればいいのです。その成果が素晴らしければ、みんな進んでカードを作ります)、政権はどうもその辺と結びつけてでも、国民の財布の中身を透明化し、取れる税は恣意的にでも取ってやれ、できない奴は潰してやれ、と思わせる傲慢な制度設計になっているところです。

 ひどい言葉で言えば、国民を奴隷化するための目的でこの制度を作ったとしか思われない。そうでもなければ、「2500億の税収のために4兆円のコスト」といわれてる経済合理性がの1ミリもないような制度作りますか?

 

 近年の自民党政権では同じような、非合理を通り越し非常識な制度・政策がいくらでもある。 

 アメリカは既に望んないと言われてるのに、何兆かけても基礎の建設さえおぼつかないと言われている辺野古新基地の埋め立て。そのために、沖縄の豊かな海を潰し、生物を殺し自然を破壊している。

  たぶん日本人の9割がすでに冷めた目で見ている大阪万博。市民の過半数が反対でIOCにも突き放されてなおもしがみつく札幌五輪。汚職と負のレガシーまみれの東京五輪でまだ懲りないか。

 絶対採算は取れないと言われているにもかかわらず、自然破壊を重ね、地盤沈下や地下水系を壊すと指摘されているリニア新幹線

 さらには伐採したら取り返しがつかないと反対運動が巻き起こっている東京の神宮外苑の高層ビル再開発。地球温暖化に正面から逆行し、東京が残してきた数少ない都民の誰もが自由に立ち入りできる公有地を、限られた金持ちが占有するためだけ、金儲けだけのために破壊しようとしている。あと、いまだ再生エネルギーに舵を切れない時代遅れの原発も同じです。

 合理的に考えたら、この温暖化で、地球沸騰化といわれてる時代に全くそぐわない愚策の数々。 推し進める理由なんてただのひとつもありません。それでも、それを推し進めたいのは目先の小銭と、国民を屈服させることでこの国を自由にしたいという「金の亡者」的卑しさじゃないですかね。こういうものどもを国の代表に選んでしまってる政治の貧弱さに日々滅入っています。

 

③そして、こういう思い付きのような制度設計は末端に大きな手間と負担を押し付けること。

 政権の政治家は全く想像できないらしいけれど、例えば500円玉が新造になって、今現在も巷のあちこちの自販機や券売機で500円玉が使えません。500円玉くらいならいいが、来年7月には全部の紙幣が新デザインに変えられるという暴挙。

 福沢諭吉から渋沢栄一になるそうですが、大量に日本の紙幣の偽札が出ているというニュースはあるんでしょうか。100歩譲ってそういう状況ならやむを得ないと思いますが、日本で電子マネーが普及しない一つの理由は紙幣・貨幣への信頼が厚いからと聞きます。

 なら、どうして換える?換えることで何が起こるかの想像力がないから安易にデザインを変えようという話になるけれど、当然日本で稼働している、自販機、券売機、両替機、食券購入機すべて交換、もしくはプログラムの変更が必要になります。そこには積もり積もって大きな負担がかかります。

 安さで人気の沖縄の食堂が閉店するというニュースがありました。値上げするにも自販機の設定を1メニュー変えるだけで、何千円かの負担が発生するから、やっていけないという話でした。

 うちは税理士をお願いしているし、インボイスの発行側なので、大きな影響はないのかと思いきや、 会計ソフトの更新など予想外の出費が何万円も発生しました。弊社の会計の仕組みの問題でもありますが、今後納税負担も増します。

 読売新聞に下らない、 「インボイスのおかげで 判子特需が起こってる」ってニュースが出ましたが、迷惑でしかないです。何の営業的果実でもないただただ事務経費負担が増えるだけ。それを「特需」と呼ぶセンスのなさ。メディアの奴隷根性、政府広報体質も大概にしてほしい。


④そしてこの制度の生み出す事業者間の断絶

「法人の課税事業者は9割がたインボイス登録を終えていますが、免税事業者のインボイス登録割合は2割程度でした。」

板山翔税理士事務所・インボイス登録ってみんなしてる?登録割合はどれぐらい?)

  個人事業者の中には登録せずとも、取引先が負担してくれる(取引先にとっては実質値上げ)ような才能ある方もおられるのでしょうが、大半の個人事業者は、価格引き下げ圧力に日々晒されています。同じような事業者で一方はインボイス登録事業者、他方は未登録となれば、当然発注側には、インボイス登録事業者を選好する合理的な理由が生まれてしまいます。

 国がそれをするということ、すなわち、記事頭の「まじで殺しにきてる」の本質かと思います。そして、国は何も痛まない。この差額をどっちが払ってくれても構わない。お前らで解決しろよという。この絶望的な責任転嫁で、痛むのは、分断されるのは、疑心暗鬼になるのは我々国民です。事業者間、また、発注者受注者双方に今迄は要らなかった税負担と税務処理が課されます。

 もうひとこと、めちゃくちゃ腹が立ったのがこの10月から電気料金に今までなかった費目の値上げが追加されたそうです。それは、全国の再生エネルギー買いとり「業者」が本来負担すべき消費税負担。買い取り先は個人宅も多く、その個人宅にインボイスに登録してくれとは言えません。ならば個人事業者と取引をするインボイス事業者と同じく電力会社が負担するのが相応ですが、国民が知らぬ間に法律を通し、全国民の負担に付け替えられました。無茶苦茶です。制度設計がほんとにおかしいと思う。

 それで国の税収が増えるならともかく、督促費用で税収増が蒸発するような制度、いかれてます。

 

⑤そして、最後に立ち返りますが、どうして、インボイスが必要なのか、私も税務の素人ですが、どうやら自称「軽減税率」が問題らしい、ということに気づきます。

 なら、こんなしょうもない二重税率を課すくらいなら、全部8%、もしくは全部10%のほうが明らかに国民のためになると考えますが、間違ってますでしょうか。 なんなら、消費税を廃止していただくのが国民にとって最もありがたいのは言うまでもありませんか。

 

  話がそれますが、ガソリン高騰で国がガソリン元受けに補助金を出してるのも気持ち悪いです。ガソリンが二重課税になってるというのは前からよく言われていたことで、トリガー条項を解除してそれで安くなるなら、わざわざ徴税という税務処理と、補助金という分配処理を2度する必要なんかありません。減税分が国民の恩恵です。

 

 同じく消費税も、とっておいて補助金やばらまきで返すくらいなら、最初から5%にしていただいた方が、国民の納税処理も政府の税務処理も等しく減少します。

 それをわざわざ取って戻してをするのは、与党が税務処理から、中抜きかピンハネか、リベートバックしてもらうことが癖になってるからですか? 不効率の極みです。

 そのうえ、自分たち政治家の「会計ミス」は「修正」で直したらおとがめなしの政府が、企業会計は領収書の一枚なければ通らないって無茶苦茶だと思いませんか。

 

市民にお願いしたいです。 

市下には自民党や公明党の候補のポスターを張っている事業者や民家が少なからずありますが、漫然と張らずにせめて、「インボイスの撤回がないとこのポスターは張り続けられません」と言ってください。国政ではなく、市政、県政であってもそう伝えてください。

 たかがポスターではありますが漫然と張ることを赦してしまうから、政治家が市民を舐めることが、こんなくそみたいな事態を引き起こしているのです。商売の基本は唯々諾々と相手の条件を呑むことではなく、当然ながら相手への要求が折り合って初めて気持ちよく掲示できるのではありませんか。

 

 ということで、この辺で記事を〆ます。

 あまりにも前の投稿が悪文だったのは承知だったのですが、コロナの後遺症で頭が回らず、長らく放置しました。見苦しい文章を読ませてしまった方、申し訳ありません。10月頭に出さなきゃって思ったのがダメでしたね。

 

 戦争とか、災害とか、恐ろしいことが続きます。それでも、 権力に呑まれることなく、戦える思考訓練は、これからの時代、市民、国民にますます必要です。