また大きな命題を掲げてみましたが、近年、しょうがないよねと思いながら彦根の商店街の衰退を見てきました。
かつて彦根を代表した銀座街が、いまや平和堂彦根店が撤退すれば大量の買い物難民老人が発生する事実上のシャッター商店街と化してしまい(頑張ってらっしゃるところも何軒かはありますが、消耗戦…)、今、彦根市には「商店街」と胸張って呼べるような場所は一つも存在しないんじゃないかなと思いますが、どうでしょうか。
その理由は大きくは①地域の労働生産人口の減少と事業継承の困難 ②大店法等規制の失敗と商況の変化 ③「ハコ」や「家」を第三者に貸すことの日本人?の抵抗感 でしょうか。
まず、一つ目の大きな理由は人口減少、少子高齢化。
またまた自民党総裁選で今ごろの「子ども庁創設に前向き!」(しかも初期プランでは老害の二階を長官に据えるとかなんとか)などという話を聞いて怒り心頭!今まで何してたの!あんたたちは?
本当にこの3,40年の自民党政権の人口政策、地方政策は無茶苦茶で、無能の極みだと思います。
画像はGDフリーク作成の滋賀県の2000年と2030年(予測)の人口ピラミッドです。 このサイトめっちゃ優秀。予測値は2045年まで出ています。1990年と今を比べたかったのですが、そこまでは遡れないので、30年でこれくらい変わるという指標で並べてみました。
もう亡くなってしまった私が師と仰ぐ留学生向け相談ボランティア団体を主宰していた老婦人がおっしゃってました。
「少子高齢化、って今日明日突然起こることじゃないのに、何をあたふたしてるのかしらねえ。何十年も前から予告されている当たり前のことが、何の対策も打たなかったから当たり前に起こってるだけなのにねえ」
これももう10年以上前の話です。
人口減少は戦争や疫病と違い、今日明日に発生した問題ではありません。少子化が問題視されたのは1980年代後半でした(だからグラフの比較を30年としました)が、当初は1990年代に結婚・出産年齢に達する団塊ジュニア(1970年前後生まれ)が第3次ベビーブームを巻き起こしてくれるのではという期待があったそうですが、バブルの崩壊と失われた20年に巻き込まれ不発に終わり、少子高齢化が加速しています。
スガ政権は不妊治療の保険適用を決めたそうですが、見当違いも甚だしい。産んだ後、十分な教育投資をかけて育てられないから子供を作らないのに、不妊治療の経済的余裕のある世帯を支援するのは、分配が逆進的で、貧者は子供を産むなと言ってるようなものです。
その意味で民主党の「子ども手当」という政策は正しかったと思います。産めば産むほどお得!第2次安倍政権に蹴散らされましたが、あのまま民主党政権が続いていたら出生率は震災を経ても多分上がっていたでしょう。
それに、血に固執した不妊治療よりは、里子や養子制度の充実に力を入れて子供福祉に重点を置いた政策を進めるほうが格差是正を考えても適切だと思います。
話がそれました。現実問題として生産労働人口は減り続けていて、今頃になって子ども庁を作ってもまた迷走するだけでしょう。自民党の解体から始めてくれなきゃ。
30年以上前に「予告」された「計画的な災難」の一つにも対応できない政党が、コロナだの、突発の北朝鮮のミサイルだの、原発事故だのにまともに対応できるわけがない!日本が滅びます。
さらに、大都市が地方の若者を吸引して、子弟を再生産できないような低賃金で雇用することも大きな問題です。経団連が「人口1億人以上の維持を」とか言ってますが、どのツラ下げてこんな提言してんでしょうね。自民党や竹中平蔵と結託して、家族が再生産できないような非正規労働主体の低賃金給与形態を進めてきたのはあなた方でしょ?と申し上げたい。
となれば、いつぞや柳沢大臣風に言うと「女は産む機械」で鶏の数が限られる中で、卵をどう増やすかとなれば、産み育てる環境を充実させるか、すでに育った雛である外国人労働者や留学生を受け入れるかの2択しかないわけですが、どっちもやってこなかった。(正確には後者はやってない振りで劣悪な受け入れ環境のまま拡大させた。)
外国人政策も無残ですよ。
いつぞや、これは彦根で多分うちの社長と市政に携わる誰か(覚えてない)が自慢話のように話していたのを傍で耳にした記憶があるのですが、銀座街の再生計画について
「ほんなもん 、銀座にでっかいバスターミナル作って銀座のほうまで観光客のバス引っ張ってきたら、すぐ売り上げあがりますがな」
(発言のテキスト化には私の悪意を少々振りかけてあります)
外国人観光客が彦根銀座で何買うんですか?「午後は銀座でお買い物です!」とか言って騙して連れてくるんですか?そもそも人間って思ってないですよね。札束だと思ってる。おもてなし以前、虚言以前の実現性。聞くだにむなしい。
同じく地方でも技能実習生(人身売買と悪名高い)や留学生、技能ビザの労働者が末端の労働を低賃金で支えていることが多いのですが(調べていませんが県内にも相応に受け入れ企業があると思います)、ついには一昨年解禁になった技能ビザでも、2年だけ!とか、結婚してはダメ!とか、出産したら帰国!とか、非人道的制約の嵐です。しかも取得にブローカーが挟まることも多く、借金を抱えて来日する労働者が少なくありません。
暴言吐きます。日本人が働きたくないような雇用環境、連れてきた外国人の人権も守れないような労働環境しか提供できないような企業なら、廃業なさい。 (これも自民のデフレ政策のなせる業)
技能実習生受け入れ企業のすべてとは言いませんが、何よりも、彼らをきちんとした人権がある人間として認識していない法体系や受け入れ態勢に本当に腹が立ちます。そして人口減少社会の解決をまじめに考えるつもりであれば、労働力として受け入れるだけではなく、市民として、彼らが日本に定着して子を為して、穏やかに暮らしていけるようサポートすべきです。そうなって初めて、彼らは労働力であるのみならず、「需要」になるのです。
・「我々は労働力を呼んだが、やってきたのは人間だった」(マックス・フリッシュ)
日本政府に言いたい。外国人は都合のいい、金だけ置いて帰ってくれるインバウンドという需要でも、 交換可能で閉じ込めて酷使してもいい「労働力」でもありません。
それでも、すでに「成鳥」である彼らを招くことは、少なくとも、まだ卵子や精子ですらない卵以前の日本国民を期待するよりは、養育コストも教育コストもはるかに安く済むので現実的だと思いますが、でも、彼らの立場に立って、こんな国に来てくれますかね? 私が移民の輸出国の民なら、オーストラリアかカナダか韓国を目指します。日本は絶対選ばない。現在の日本の移民政策は外国人からの信頼やイメージを毀損してます。
話がそれまくってますが、結論を言えば、需要とは人口のこと! 人口減少をほっておいたら地域産業が衰退するのも当たり前。
日本が人口上昇に転じることはこのままだと多分ないので、順調(?)にいけば日本の人口は、2053年に1億人を割り込み、2065年、8807万7000人で2・5人に1人が高齢者、更には2115年で総人口が5055万5000人まで減少する予測となっています。(『未来の年表1』より)元データが総務省の「楽観論」なはずなので、多分人口減少はもっとハイペースで進むでしょう。
そんな日本で、今頃、「子ども庁」論議って、何かの悪夢だとしか私には思えません。 またタイムリープしたか。
次に気が向いたら(;'∀')、地域商業がなぜ衰退するかについて考察したいと思います。 こういうのって腹立ち紛れじゃないと書けないもので、数々の暴言、大変失礼いたしました。
●彦根市内商店街の動向(彦根市の街づくり)
●政治家の女性差別発言を20年分調べた 圧倒的に多い自民の「女性は産む機械」系失言
(バズフィード)
●「日本の賃金は米国の6割」韓国にも抜かれた日本の凋落(ダイアモンドオンライン)
追記)思想家の内田樹とイスラム学者の中田考の対談。非常に面白いの出備忘録的にリンクしておきます。 世界ではマンパワーの獲得競争、労働力であり消費者であるのみならず、イノベーターとしての人材の取り合いになることが論じられています。
・【中田考×内田樹 前編】「国民国家の終焉」と「帝国の台頭」で世界は再編される
・ 【中田考×内田樹 後編】「どうやって価値を生み出す人間を囲い込むか?」が国家の緊急の死活問題
■参考文献
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